様々な分野で活用される原子力を支えている株式会社アトックス

最終更新日 2024年5月8日 by negiba

アトックスってどんな会社?

原子力は、未来の技術として発電や医療など様々な活用が期待され研究が進められていました。

しかし2011年に起きた福島第一原発の事故以降、原子力を取り巻く状況は一変しました。

これまでクリーンなエネルギーとして謳われてきましたが、ひとたび事故が起これば取り返しの付かない事態に陥ります。

そのため原子力は悪のイメージが強くなってしまい、技術の研究は滞ることになりました。

ですが原子力は発電以外にも、様々な分野で活用できる技術です。

事故の影響でイメージが悪化し技術の研究が滞ることになれば、医療分野での活用も進まなくなると危惧されています。

そもそも事故を起こした原子力発電所を廃炉にするためにも、原子力の技術は必要です。

全国各地にある原子力発電所を安全に動かすためにも、危機的状況な今こそ業界に関わる全ての人々が技術や知恵を提供し、
原子力の信頼回復に努めるべきだとされています。

東京都港区に本社がある株式会社アトックスは、日本に原子力産業が誕生した当時から関連施設のメンテナンスに携わってきました。

半世紀以上も原子力発電所や研究施設などを安全に動かすために、技術開発センターを設けてノウハウを蓄えてきました。

独自に蓄えたノウハウは高く評価されており、これまで数多くの官公庁や企業から施設の設置・解体業務を請け負い、安全に業務を遂行し顧客の要望も満たしています。

アトックスは福島復興を担っている

企業のように目立つ存在ではありませんが、日本の原子力産業において重要な位置にある企業です。

福島第一原発についても、事故直後に撤退する企業が多いなか現地に留まり活動を続けています。

現地では株式会社アトックスが持つ技術やノウハウを総動員し、安定化に努めてきました。

そして現在では安定化を目指すとともに、廃炉作業にも貢献しています。

原子力発電所の廃炉には、高度な技術と時間がかかり一般の建物のように簡単に取り壊せる作業ではありません。

周囲の環境を守りながら作業員の安全も確保しつつ、慎重に一つ一つの作業を進めていかなければいけません。

非常に繊細な作業ですから、廃炉されるまでの時間も数十年単位で行われていきます。

高度な技術と安全性の確保が要求される廃炉作業は、ノウハウがない企業では担当できません。

作業ロボットの開発や作業員の育成などのノウハウを持つ企業でないと、安全に原子力発電所を廃炉にすることはできないで
しょう。

一刻も早く人々が安心して暮らせる地域を取り戻すためにも、株式会社アトックスは日夜奮闘中です。

アトックスの福島復興以外の事業①

現在の主力事業は福島復興事業ですが、もちろん株式会社アトックスはそれ以外の活動もしています。

具体的には大学や研究機関にある放射性物質研究施設の支援もその一つで、各種加速器や医療用PETの運転・メンテナンス・環境測定などを行っています。

原子力に関する豊富なノウハウを持つ企業から様々な支援を受けることにより、研究施設では本来の研究業務に集中できるので、新たな技術が生まれるのも早くなるでしょう。

また病院などの医療施設も支援を受けることによって、患者さんの検査や治療にも役立っています。

原子力というと発電所をイメージしてしまうため、一般には馴染みが薄く感じてしまいます。

ですが病院など身近な施設で使われている技術であり、国民生活に大きく直結している技術です。

病院で検査を受けて病気を治療できるのも、株式会社アトックスが支援しているからと言っても過言ではありません。

株式会社アトックスは現在の医療を支えるだけではなく、将来のためにも事業を展開しています。

アトックスの福島復興以外の事業②

その一つが頭部PET装置の実用化に関する研究で、実現すればアルツハイマー病の早期診断に繋がるとされています。

アルツハイマー病の早期診断ができるPETは、現在は全身用の大型が使われておりコスト面や画質などに問題が残されてきました。

しかし従来型よりも小型の頭部用装置を開発すれば、低コスト化を実現し画質の感度も上げることが可能です。

頭部用なら従来型よりもサイズが小さくなりますから、普及も進められるでしょう。

低コスト化と小型化により普及が進み画質も良くなれば、比較的小規模な病院でも検査が受けられるようになり、アルツ病も早期に発見できるでしょう。

早期に発見して有効な治療を素早く開始すれば、悪化する前に改善することも無理ではありません。

もちろん頭部PET装置は、アルツハイマー以外の病気にも役立つでしょう。

そのため国立の研究機関と共同研究を行ったり、民間企業とも協力して開発を進めています。

平成30年度内には臨床研究が開始される予定なので、近い将来は様々な病院で頭部PET装置を使った医療を受けられると予想されています。

このように原子力の技術は、発電だけではなく医療現場でも活用中です。

正しく使えれば国民生活を豊かにしてくれるのが原子力なので、今後も研究を進めて新技術の開発を進めていくことが大切です。

※参照:アトックス福島復興支社

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