資金調達の方法について

最終更新日 2024年4月4日 by negiba

1.資金調達を自己資金で賄えるのか?

例えば新しい会社を立ち上げようとするときとか、既存の会社であってもそこで何かの新しい事業を立ち上げようとするような場合には多額の資金が必要になります。

もちろんアイデアとか人脈なども重要でしょうが、やはりお金が無くては何もできないのが世の中の常であり、資金調達はその意味で外すことはできません。

 その方法としてまず思いつくことは、自分自身でそれまでに蓄えていたお金ということになるでしょう。 

実際、将来的な独立を目指して今もらっている給料の中からコツコツとお金を貯めているという人は多いはずです。

最も堅実な方法と言えばそのとおりですが、この方法には難点もあります。

個人的な趣味の延長程度といったレベルでの独立であればともかく、本格的に会社を興そうとすると、多少頑張ったところで一人の人間がある程度の期間内に蓄えられるお金というのはあまりにもわずかであることが多いのです。

毎月10万円を貯金するというのは並大抵の努力では果たし得ないかもしれませんが、それでも一年で120万円にしかなりません。

5年というのはかなり長い期間でしょうが、5年かけたところで600万円にしかならないわけです。

ところが会社を興し、オフィスを借り、事務用品を整え、仕入れを行い、仕事を手伝ってくれる事務員を雇うなどとなると、これくらいのお金はあっという間にどこかへ飛んで行ってしまいます。

一般論として新しい仕事が軌道に乗るまでは数か月から数年程度はかかるでしょう。

その間のオフィス賃貸料とか、雇用した事務員の給料のことを考えてみるだけでもこれは明らかです。

かと言って資金を蓄えるために何十年も時間をかけているのでは時宜を逸してしまうことは明らかでしょう。

自己資金で独立するというのは、資金繰りに苦しむか、あるいは時宜を逸するか、はたまた仕事の範囲を非常に狭いものに限定することで費用を極力抑えるようにするかという究極の三択を迫られるようなものです。

2.自己資金では賄えない時の資金調達の選択肢

普通、何かの買い物をするようなときは自分以外の誰かのお金をあてにするのではなくまずは貯金でというのが道徳でしょうが、これは会社を興すような場合には必ずしも当てはまらないということになります。

ではどうするかというと、自分自身の蓄えでは不十分なのであれば、他人のお金をあてにするしかありません。

これが即ち資金調達です。

もちろん赤の他人が何の見返りもなしにポンとお金を出してくれようはずがありませんから、何らかの見返りを提供することを約束した上でお金を出してもらうことになります。

資金調達とは、言い換えればどのような見返りの提供を約束するかということになります。

広く知られているものは、銀行などの金融機関からお金を借りることです。

率直に言えば銀行はこのような目的のために存在していると言っても構いません。

ですが、将来性がなかなか見えない状況においては、容易なことでは借りることは難しいでしょう。

将来的な計画をしっかりと提出し、利息も含めて借りたお金をきちんと返済できるということを納得させないといけないからです。

銀行からの融資の場合、見返りの提供とは即ち利息をつけてお金を返すことに相当します。

銀行という大きな企業を相手に一個人が説得を試みるのが難しいことは両者の力関係を見ても分かるでしょう。

3.クラウドファンディングという資金調達の方法

こちらも企業で、その中で新規の事業を始めるといったケースでは、株式を発行するという方法もあります。

株式はまさしく資金の調達方法の一つであり、銀行を直接相手にすることなく広く一般からお金を集めることができます。

ただ、できるとは言っても全ての場合でできるわけではありません。

株式の発行そのものは株式会社であればどんな会社でも可能であり、その意味では大企業のみならず中小企業、さらには今まさに立ち上げたばかりの新興企業であっても発行できます。

ですが、株式市場で一般に取引が可能なのは上場されている企業だけであり、上場には一定の審査があって、その審査に通らないことには一般には取引されず、従って一般から広く資金を集めることは難しくなります。

もちろん株式市場を介さずに購入してくれる人を自力で見つけて資金を集めるのは全くの自由ですが、それでは集められる金額に限りがあることは分かるでしょう。

少なくとも、これから立ち上げる会社に必要な資金を集めるために株式を発行するというのはそこまで現実的とは言えないわけです。

こうなってくると八方ふさがりのようにも見えてきます。

自己資金には無理があり、かと言って他から調達するにも限界があるということで、これは新しく会社を興したり、事業を立ち上げたりするようなことはもう諦めさないと言われているようにも思えてしまいます。

しかし、最近ではクラウドファンディングという方法により、銀行とか株式市場などの既存の経済システムを介することなく広く一般から、それこそ世界中から資金調達を行う方法が次第に広まりを見せつつあります。

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